ごぼうは、古くから人々の暮らしに根ざしながら、身体に良いものとして認められてきました。
東洋の医食同源の思想にもある通り、日々の食べ物が、私たちの健康を支える源だと言えます。
野菜や穀物など、自然の恵みをいただく営みの中で、人間は自らのいのちを育み、ときに癒してきたのでしょう。
伝承が語り、科学が実証する、ごぼうの力
江戸時代初期に伝来した中国の書物「本草綱目」によれば、ごぼうは次のように記述されていました。
●根(根茎)
根茎は、久しく服すれば、身体を軽くし、老衰を防ぐ
十二経脈を通じ、五臓の悪気を洗ふ
菜にして常に食べれば身体を軽くする
●子(種)
子は、目を明らかにし、中を補し、風傷(風熱)を除く
また、民間療法として、全国各地でさまざまな利用法が語り継がれています。
◎乳腺が開いて母乳の出が良くなる(奈良・滋賀・群馬)
◎身を軽くする、便秘の解消、整腸(奈良)
◎利尿、腎臓病、盲腸炎(福井)
腫れ物、風邪、冷え性、はしか、やけど(日本各地)
地域によって多様で、とても興味深いですね。
さらに、医学や薬学が発達した現代でも、ごぼうの健康作用が次のように期待されており、再び注目されつつあります。
◆ごぼうに含まれる難消化成分が、肥満や生活習慣病の予防に
◆ごぼうと炭水化物を同時に摂取すると、食後の血糖値の上昇を緩和する
◆ごぼうに含まれるポリフェノール類は、ごぼうを焙煎することにより、高い抗酸化能を維持できる
以上のように、ごぼうには健康づくりへのさまざまな働きがあると考えられてきました。これからも現代科学によって、その効果が実証されていくことを期待したいと思います!
ここにご紹介した事例は、人々の体験や伝承にもとづくものもあります。
あくまでも個人の体質にもよりますので、必ずしも効果を保証するものではありません。
あらかじめご了承ください。