えっ、栄養を捨てている!? 意外と知らない、ごぼう料理のコツ。

ごぼうを調理する時に、皮を削いだり、水にさらしてアクを抜いたりしていませんか?それは、たしかに美味しく料理する一つの方法ではあります。ところが、えっと驚くほど「もったいない」ことでもあるのです。

ごぼうの有用成分は、外側にある。

実は、ポリフェノール等をはじめとする、ごぼうの有用成分は、皮やアクにこそ多く含まれているのです。

ごぼうの断面を見てみると、中心部にある「維管束」と、外側にある「表皮・皮層」に分けることができます。 この2つの部分のポリフェノール含量を比べたところ、「表皮・皮層」の方が2倍以上も多いことが分かったのです!

*中島ら(2011)水産練り製品添加具材としてのゴボウのORAC値.平成23年度日本水産学会中国・四国支部例会,2011.12.3(下関).(水産大学校との共同研究)

ポリフェノール量の違いも歴然!

つまり、ごぼうの皮むきや水さらしは、ごぼう本来の栄養を奪ってしまうことになりかねません。栄養面で考えると、不要な作業とも言えるのです。(もちろん、汚れなどが気になる場合は例外です)

また、電子レンジで1分間程度、軽く温めて調理すると、ポリフェノールの損失が抑えられることが研究によって報告されています。電子レンジでチンするだけで、ごぼうの栄養が残されるって、なんだか不思議ですね。

さらに、他の研究では、ごぼうを水にさらした場合とそうでない場合で、きんぴらごぼうを作って比較検証を実施。結果、水にさらしていないごぼうで作ったきんぴらごぼうの方が、総ポリフェノール量が多いことが明らかにされました。(下のグラフ)

*中島ら(2011)水産練り製品添加具材としてのゴボウのORAC値.平成23年度日本水産学会中国・四国支部例会,2011.12.3(下関).(水産大学校との共同研究)

これまではごぼうの皮をむいたり、水にさらして料理していたという方は、ある意味、せっかくのポリフェノールを知らず知らずのうちに捨ててしまうことになりかねません。

日本では、食べもの命を、皮つきのまま丸ごといただくという「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考えもあります。 昔から伝わる食の知恵には、ちゃんと栄養学でも実証される要素が含まれているんですね。 日本ならではの食の恵みに感謝しつつ、 ごぼうを皮ごと調理して、その栄養をあますところなく摂ってみましょう!

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