ごぼうの食物繊維「イヌリン」に注目!

以前、食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に分けられることを紹介しました。

改めていいますが、ごぼうには、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がバランスよく含まれています。

そして、その中でも注目されているのが水溶性食物繊維の「イヌリン」です。

知れば知るほどスゴい!イヌリンの働き

イヌリンには、主に3つの働きがあると言われています。

  • 血糖値の上昇をおさえる。
  • 便秘を改善する。
  • 血中の中性脂肪を低減する。

イヌリンの含有量を他の野菜と比べてみると、特にごぼうには、イヌリンが豊富に含まれていることが分かります。

*Van Loo et al,(1995)On the presence of inulin and oligofructose as natural ingredients in the western diet.Critical Reviews in Food Science and Nutrition,35:525-552.

粘りのある健康力

また、同じ食物繊維でも「水溶性」「不溶性」で、どれくらい性質が違うのでしょう? イヌリン(水溶性食物繊維)とセルロース(不溶性食物繊維)を水に溶かしてみると…

イヌリンはサッと溶けて透明になり、セルロースは溶けずに混ざりました。食べ物で摂り入れられたイヌリンは、小腸で消化されず、大腸に到達します。そして善玉菌を増殖させ、腸内の環境改善をサポートしてくれます。

また、イヌリンは下の写真のようにドロッとした粘質をもちます。この粘性により、腸内の食べ物の拡散と移動を遅らせることにより、インスリンの分泌を穏やかにして、血糖の上昇をおさえるのです。

イヌリンがすごいのは、腸内細菌の利用率が100%であること。メチルセルロースが5%に、難消化性デキストリンでも50%なので、いかにイヌリンが腸内細菌によく利用されるかがわかりますね。

奥ら(2013)ルミナコイド素材のエネルギー評価の考え方とメチルセルロース、イヌリン、還元難消化性デキストリンならびに高架橋澱粉のエネルギー評価結果.ルミナコイド研究:日本食物繊維学会会誌,17:47-51

ごぼうで、イヌリンをしっかり摂取できるなんて、すばらしい!「血糖が心配」「便秘がつらい」「中性脂肪が気になる」などなど…健康にお悩みをお持ちの方は、ごぼうでイヌリンの働きを試してみてもよいかもしれません。

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