知っていますか?ごぼうのお祭り

世界的にごぼうを料理して食べてきたのは、日本くらいだそう。しかも日本には、ごぼうを奉るお祭りがあることをご存じですか?

今回は、まさに知る人ぞ知る、ごぼうをテーマにした日本のお祭りをご紹介します!

三重の奇祭「ごんぼ祭り」

まずは、三重県津市に伝わる「ごんぼ祭り」。毎年2月11日、仲山神社にて斎行されています。仲山神社は、室町地代から祈願所として受け継がれている由緒正しい神社です。

ごんぼ祭りでは、五穀豊穣と子孫繁栄を祈る御神輿が現れます。この御神輿が男女のシンボルをかたどったものであることから、日本有数の奇祭としても知られています。祭礼には、精力強壮の薬だという「ごんぼ(牛蒡)」「ボラ(鯔)」が供物として用いられてきました。

福井の大食祭「ごぼう講」

毎年2月17日に福井県越前市で行われるのが、「ごぼう講」です。「総田十七日講」とも呼ばれ、ごぼうをおかずに楽しむお祭りです。もともとは、江戸中期に、領主に内緒で作った隠し田の収穫をした男たちがひそかに集まってごぼうを食べていたことに始まるそう。そして、この祭りの料理が、なかなかの圧巻なのです。

  • 5合分のご飯を高さ約15cmに積み上げた「物相飯(もっそうめし)」
  • 山盛りにし皿からあふれる味噌和えのゴボウ(約20本分)
  • 二つ割りのたくあん2本
  • 丸揚げにしたゴボウ2本
  • 焼き豆腐1丁

なんと、これが一人分だそうです。お祭りの日には、紋付き袴の男衆が集い、茶碗でお酒を酌み交わしつつ、ごぼうをおかずに食事を楽しむということです。

その他にも、滋賀のごんぼ祭(毎年10月開催)、奈良の牛蒡喰行事(毎年1月開催)など各地でごぼうのお祭りが伝え残っています。

ごぼうはそれだけ伝統的な食文化に息づいており、農民の生活を支えるうえで大切な食糧であったことがうかがえますね。

今回は、想像力をふくらませていただくためにあえて写真の掲載はしませんでした。ご了承ください。ごぼう祭りに参加するチャンスがあったら、ぜひ参加してみたいですね。ごぼうの歴史が奥深いことを知り、食べるありがたみも増すような気がします。

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